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2020.10.16

農園芸のすすめ Ⅲ (オクラの花)

八点鐘

野菜の花の中で一番きれいだと思うのがオクラの花です。

野菜作りをして30年以上経ち、いろんな野菜の花を見てきましたが、“きれい”なのはオクラの花で、これに勝るものはないと思います。(私見ですが)

かつて、43年ほど前になりますか? “だいこんの花” というのテレビドラマがありました。 主演は、森重久弥さん、助演は、竹脇無我さん、石田あゆみさん(第5部) のホームドラマです。 だいこんの花は、うすい紫の白い花で、小さくあまり目立った花ではありません。 (アブラナ科です。)

うす黄色のオクラの花は、大根の花に比べると大きく華やかです。

オクラの花は、茎と葉柄の間(脇)に上向きに下から上に順に出ます。 この花が枯れて落ちるとオクラの実が残ります。 大きくなった実(オクラ)を採取したらこの葉柄も切り落とします。 葉柄を切り落とせば、オクラの樹全体で葉の面積が不足するので生長点である茎先端が伸びて子葉が出てきます。 やがて次のオクラが成り、採取と葉の切り落としが続き、最終的に茎の高さは160㎝を超える高さになります。 茎には、摘果した痕と葉柄を落とした痕が根本から略10㎝ごとに残ります。

 

ある日、畑に居たところに、偶々 後輩が訪ねてきたので、『オクラでも持って行け!』と声をかけて、オクラを採ろうとすると、このオクラの茎を見て、後輩が 『えらい、やりくってますねー!』 と訳の分からない言葉を掛けてきた。 何のことだろうと尋ねるとオクラを採取した痕が痛々しいとのことでした。 『それならもう少し言い方があるだろう!』 とたしなめたが、農園芸を知らない他人が見るとそう見えるのかと、チョット気になりました。  農家では、幼稚園児からお婆さんまで知っている常識なんだけどなあ~!?  『キュウリと同じで,キュウリ採取後の果柄の切断跡を見て痛々しいと感じる人はいないと思うのだが』 と一人言い訳しました。

 

暑い夏の夕飯時、冷奴の上にカツオの削り節と茹でたオクラを輪切りにして載せ、醤油( or ポン酢)を掛けて食べるとビールの良いつまみになります。 まさに、“Oh~!日本の夏!” です。

よし、今日はビールにしよう!

 

by 薄 明